妊娠中・産後で思うように走れない女性ランナーへ。
「距離が踏めないと速くなれない」そう思っていませんか?
私は産後7か月でフルマラソンを走り、3時間18分(2023) → 3時間13分(PB更新)できました。
でも実際の練習は、
- 月間走行距離:100km以下で、産前の1/3〜1/2程度
- 朝ラン不可(睡眠不足)
- 各ランは30分程度で、ロングランなし
というかなり制約の多い状況。
それでも結果が出たのは、「量」ではなく「質」に振り切ったからです。
この記事では、
- 実際にやっていたトレーニング
- 学術的な背景
- レースデータから見た再現性
をまとめます!
なぜ距離を踏まずに速くなれたのか
戦略はシンプルです。
- 有酸素は最低限維持
- スピードと神経系を優先
- 筋力はヒルトレで補う
産後はとにかく時間がなくて、睡眠が安定しないので、産前のようにロング走中心の練習は非効率。代わりに、短時間で強い刺激を入れる方向に切り替えました。
メインでやっていた2つのトレーニング
① Speed Session(スピード・神経系)
目的
- 神経系の活性化
- ランニングエコノミー改善
- スピード耐性の維持
メニュー
- 5 × 1分(15.6 km/h)
レスト:1分(10.0–11.0 km/h) - 3分(14.7 km/h)
- 2分(イージー)
- 5分(13.8 km/h)
ポイントは、
短時間でも“速い動き”を身体に思い出させること。
② Hill Session(筋力・登坂効率)
目的
- 下肢筋力の強化
- 接地効率の改善
- 推進力の向上
メニュー
- 3 × 2分(14.7 km/h, 勾配6%)
レスト:1分(10.0 km/h, 0%) - 3 × 1分(15.6 km/h, 勾配8%)
レスト:1分(10.0 km/h, 0%) - 5分(13.8 km/h, 勾配2–3%)
これはかなり効きます。
ほぼ筋トレです。
心拍ゾーンで見るトレーニング設計
今回の構成は強度的にも意図があります。
- Speed Session → ゾーン4〜5(LT〜VO₂max)
- Hill Session → ゾーン4+筋出力
- 軽めジョグ → ゾーン2
そして重要なのが、ゾーン3(中途半端にきつい領域)をほぼやらないこと。
この領域は、疲れる割に効果が中途半端になりやすいです。
時間がない産後こそ、「やるならしっかりキツく、休むならしっかり休む」が効率的です!
ロング走を削ってもいい理由(学術的背景)
① VO₂maxは短時間高強度でも維持できる
高強度インターバルは、
- 短時間でも最大酸素摂取量を維持・向上
できることが知られています。
つまり、長く走らなくても心肺機能は保てる!なんて心強いんでしょう!!
② ランニングエコノミーが重要
フルマラソンでは
- VO₂max
- 乳酸閾値
- ランニングエコノミー
が重要ですが、
実はエコノミー(効率)が、ここにかなり効きます。
スピード練習やヒルで
- 接地時間短縮
- 神経筋協調改善
が起こり、少ないエネルギーで速く走れる身体になります。
産後の身体を前提にした考え方
産後は見た目以上に身体が不安定です。
- 骨盤底筋の低下
- 関節の弛緩
- 筋バランスの崩れ
この状態で距離を踏むと、
- フォーム崩れ
- オーバーユース
- 尿もれなどのトラブル
につながるリスクが高い。
だから今回は、
「壊さずに強くなる」設計にしました。
特にヒルトレは
- 衝撃が小さい
- 殿筋が使いやすい
ので、産後と相性がいいと感じています。
トレッドミルを使った理由
自宅近くのジム(チョコザップ)を活用しました。
トレッドミルのメリットは
- ペースが正確
- 時間で区切れる
- 短時間でも質が担保される
- 冬でも汗だくになれる(暑熱順化?)
産後のような制約下では、むしろ最適な環境でした。
実際の1週間イメージ
- 週2回:Speed or Hill
- 週1回:軽めジョグ(30〜40分)
- 他:ほぼレスト
かなり少ないですが、これで十分でした。産前のわたしが聞いたら、ぶったまげることでしょう!
レース展開と実際のデータ

このデータから分かることは3つです。
① ペースが安定
大きな乱れがなく、オーバーペースしていない。常に4分半ペースで、ネガティブスプリットでした。
② 心拍がコントロールされている
緩やかな上昇のみで、破綻していない理想的な推移。前半140〜後半170でした。
③ ピッチが一定
最後まで回転が落ちていない。フォーム効率が維持できている証拠。自画自賛しすぎ?
トレーニングとのつながり
今回の練習で得られたのは、
- ピッチ維持
- 接地の軽さ
- 心拍の余裕
つまり、「効率よく走る能力」です。距離が少なくても、ここが上がればタイムは伸びることが分かりました。
この方法がハマる人
ただ、スピードトレーニングで結果が出たのは、産前の下積みがあったこそだと思います。月200-300kmをコンスタントに走り、
- ある程度走力がある
- フォームが安定している
- 強度コントロールができる
からこそ可能だったかもしれません。逆に、
- 初心者
- ケガしやすい
- 高強度に慣れていない
場合は強度の入れ方は慎重に。
まとめ
産後でもPB更新できた理由はシンプルです。
- 練習量は少なくてもOK
- スピード刺激は削らない
- ヒルで筋力補強
- トレッドミルで効率化
そして一番大事なのは、「何を削るかを決めること」。
距離が踏めない=終わりではなく、戦略を変えれば、むしろ伸びる余地があります。
同じように制約のあるランナーの参考になれば嬉しいです!



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